現代の若者の夢も決して捨てたものではない
 個人的なことになるが、筆者は女子短大で、「観光レジャー論」という講座を担当している。その前半は国内外の観光地やレジャー施設で、現代人はどのように遊ぶか、後半はどのように遊ばせるかを教えると称して、騒々しい学生を怒鳴りつつも、結構、楽しんでいるのだが、最終レポートの課題は毎年恒例、「自分の理想とする観光地・レジャー施設を創造しなさい」というものである。
 レポートを採点していると、時には震えがくるほど感動することがある。現代っ子の夢は、決して涸れてはいないと思うのだ。いかにも18歳、19歳の女の子らしいかわいらしく、多少は漫画チックであっても、なかなか壮大な夢が語られている。イラストやイメージ写真などをつかって、彼女たちが楽しんでいる様子を窺い知ることができる。
 夢を制限したくないために、実現不可能なものでもよい、コストは考慮にいれなくともよいとしてあるが、実現不可能なものほど面白く、読んでいてわくわくしてくる。
 もうひとつ、ある専門学校のコンピュータ機械制御科で、その名も「アミューズメント機器」という講座も担当している。こちらの最終試験は、「理想のアミューズメント機器・施設を創りなさい」というものである。
 同様に実現不可能なものであってもよいと伝えてあるのだが、工学系の専門学校のために、やはり頭の制御が働くのか、かなり堅実である。だが、こちらも実に面白いのである。そして、技術的にはすぐにでも実現可能なものが少なくないのだ。
 現代の若者の夢も決して捨てたものではない。彼らの夢を、いつか実現させること、これが筆者の夢である。
(N)
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