アイデアが地元を熱くさせたホークスの躍進
観るスポーツの世界が熱いようである。近年、低下傾向にあったプロ野球も、阪神タイガースの意外なほどの活躍と、ようやく地力を見せ始めた巨人の首位に迫る勢いなどで盛り上がってきた。
 筆者には飲食店を経営している友人がいるが、その一人はプロ野球が始まると、客が少なくなると嘆いている。もう一人の店は、サッカーが敵だという。その最大の祭りWカップもやがて日本と韓国で始まる。彼らの嘆きも深くなるに違いない。
 そこで思い出したことがある。プロ野球で最大の観客動員数を誇るのはジャイアンツであるが、二位は福岡ダイエーホークスである。年間300万人を超すのはこの2球団しかない。
 なぜホークスがこれほどまでの人気球団になったのか。常に優勝をねらえる実力がついたためというのは解答にならない。セパふたつの球団が毎年優勝しているからである。その最大の秘訣は、あくまでも地元に密着し、地元を熱くさせたからである。
 そのために様々な布石をうっているが、もっとも興味をひかれるのは、「勝ったら企画」と呼ばれるものであろう。同球団は99年の初優勝の年からキャラクターなどのロイヤリティを無料にし、ホークスが「勝ったら」何らかのサービスをする協力店を増やしていったのである。その結果、安売りを期待する地域の主婦までもが、ホークスの勝敗に注目するようになった。その心理は、やがてファン層を拡大し球場に足を運ばせる力となったし、商店や飲食店の賑わいも促したのである。
 アイデアと地道な努力によって、我々の業界も店舗もより活性化する道があるのではないかと思える。          (N)
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