W杯、意外なほど醒めている若者
サッカーのW杯が始まった。アジア初、そして初の日韓二カ国による開催である。若者の間ではさぞ盛り上がっているのだろうと想像していた。現在、高校までのクラブ活動で最も参加人口が多いのはサッカーである。甲子園を頂点とする野球を抜いているのだ。
 若者がどれくらい「熱く」なっているか、ささやかながら調査してみた。筆者が講義している学校で小レポートを書かせてみたのである。サンプル数が少ないので、この結果が現代の若者の平均的な意見であると主張するつもりはないが、かなり意外な感じを受けている。
 実に冷静で醒めているのである。もちろん熱狂的なファンもいないではない。長野県の共学の短大では、40名中、チケットを入手できなかったので、さいたまスタジアムの外にある大画面で日本を応援したいと書いた男子学生が一人。やはりサッカーファンなので、テレビ観戦を楽しみにしている男子が一人。
 他はTVで観ないでもない。ダイジェストで十分という答えが平均的である。
それよりも、世界の国、特に韓国との交流に意味がある。とにかく無事に終わって欲しいという意見が多かった。
 一方、東京八王子にある専門学校の体育系専攻の学生では、かなり違った傾向になるだろうと想像したのだが、これも意外なことに、反応はほとんど変わらなかった。熱くなっている学生が一人、二人多いのと、逆に自分のやっているスポーツに比べてサッカーなどつまらないという意見もあった。
 スタジアムや周辺の熱狂をニュースで観ながら、「日本ではまだ、サッカーは根づいていない」という学生の意見をかみしめている。               (N)
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