日本は、こんな情けない国ではなかったはず |
最近、情けない思いばかりしている。個人的にも情けないことが続いているのだが、それよりもこの日本という国である。戦後初のデフレスパイラルで、先行きが見えない最悪の不況も、完全失業率が5.5%、男性に限っていえば5.9%と、ため息もでない泥沼である。政府がとる経済政策も効果が一向に現れてこない。日本は一体どうなるのだろうか。 犯罪の検挙率が先進五カ国中、最低のレベルにまで落ちたという。アメリカよりはやや上まわっていると訂正されたが、それにしても隔世の感がある。日本人は安全と水はただだと思っているとは、イザヤ・ベンダサンの名言であるが、かつては世界に冠たる安全大国であったのだ。ロンドンの警官が日本人に優しいのは、紳士の国であると共に、日本の警察を見習えと教育されているからだという文章を読んだことがある。確かに犯罪の検挙率は抜群であった。交番というシステムが名称ごと他国に“輸出”されたこともある。 不良外国人の増加など、やむを得ない要素もあるが、日本人自身、どこかおかしくなっているような気がする。キレやすいのは若者だけかと思っていたら、中高年がいきなり駅員を殴るケースが増加しているという。親がキレて教師を殴る事件さえ珍しくないのだとか。 日本はこんな国ではなかったはずだ。どこから歯車が狂ったのか、どこでボタンをかけちがえたのか。嘆いていても始まらない。一人ひとりが何とかしようと考え、ささやかでも行動に移すしかあるまい。 今年も残すところ、あとわずかである。来年こそは良い年でありますように。 (N) |