今年こそ日本再生の年にしたいもの
 ついこの間、新世紀を迎えたばかりのような気がしていたのに、もう2003年、月並みな感想ではあるが、まさに光陰矢のごとしである。
戦後最悪の経済は一向に改善の気配さえみせず、今年も厳しい状況が続くことは確実である。就職難に直面している若者から、リストラ、企業の倒産に怯える働き盛り、そして年金制度破綻の不安を囁かれる高年層にいたるまで、先が見えない状況が一番辛い。
この日本を何とかしろ、と政治家に声を大にして言いたいが、我々自身にも何とかできるところ、しなければいけないところはあるのではないか。そう思える理由はある。
個人的なことで恐縮だが、昨年は1年かけて、ある巨大レジャー企業の再建の軌跡を追ってきた。
そして、たしかにその企業は再生したのである。新たな資本を投入したわけでも、施設を改造したわけでも、そしてリストラを行なったわけでもない。部門別会計の壁を取り払い、遊休施設の有効利用を図り、全員が営業マンとなって全体の売上げをあげたのである。変わったのは社員の意識だけであった。
その取材を通じて、我々自身、そして個々の会社も意識を変え、方法を考えることで、この状況下でもやりようはいくらでもある。再生・再建も可能である。そう思えるようになった。
今年は未年、筆者の年である。そして恥ずかしながら「還暦」を迎えた。還暦は暦が還ること。つまり再生である。自戒をこめて願っている。今年こそ良い年でありますように。日本が再生する年でありますように。(N)
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